Talkin'
about Kiitosキィートスについて語ろう
キィートスの修理が、
学生とカメラの未来を
つないでいく
吉田 果歩(写真左)Kaho Yoshida
女子美術大学短期大学部・非常勤講師
写真実習で暗室ワークの指導を担当。鍛金の専門家として薬品関係の免許を持っており、安全な作業をサポートする。
坂本 敦宏(写真右)Nobuhiro Sakamoto
女子美術大学短期大学部・非常勤講師
写真の原点を伝える教材としてフィルムカメラを活用。カメラマンとしてフィルムでの撮影依頼を受けることもある。

なぜ今、写真実習にフィルムカメラを使うのか? 坂本敦宏先生は「カメラの原点はカメラ・オブスクラ、つまり“暗い部屋”だということが理解してもらいやすい」と話す。カメラの裏蓋を開けてフィルム開口部にトレーシングペーパーを張ると、レンズを通った逆像が写る。また、色を自動補正されないリバーサルフィルムでの撮影も経験することで、“光そのものに色がある”という実感も伝える。
こうしたアナログの写真実習を大切に続ける背景には、アートに取り組む学生の引き出しを増やす目的があるという。一見すると失敗に見える仕上がりでも、作品として「これも良いかもしれない」と思える感覚が生まれるような「ゆらぎ」や「幅」を体感するにはアナログが向くのだ。
実習機材には約20台のNewFM2がある。長年ニコンに修理を依頼していたが、現在ではキィートスに一任しているという。いかに堅牢なニコンカメラでも、使っていれば壊れることもある。修理ができるからこそ、実習は続けられる。今もなお、学生と共にあるNewFM2。その伝統はこれからもキィートスがつないでいく。
▲壊れにくく、女性の手にも合う大きさ。それがNew FM2を使い続ける理由だ。レンズは50mmが基本。
▲吉田先生が暗室で指導するフォトグラム。印画紙の上に物を置いたり水を掛けたりして露光する実験的な表現。